この門をくぐる者は一切の希望を捨てよ

人生で一番幸せな買い物ってゼクシィじゃない???

世界ウルルン就活記

3月1日、とうとう就活が始まった。私は不安と重圧で押しつぶされそうだった。結論から言えばこの時から2ヶ月経たずに私は就活を無事終え、残り少ないモラトリアムに戻っていったわけなのだが、それでもしんどい瞬間や大泣きした夜もあった。しかし就活という人生におけるビックイベント、そうそうつらい思い出だけではない。普通に生きていたら会えないような大企業の役員レベルのおじさまにも会えたし、研究施設の見学や工場の中を見せてもらうこともできた。そんな私の就活体験の面白おかしいエピソードだけでも皆様にお届けできたらと思い、今回筆を執った次第であります。

 

就活中一番やばかったこと、それは夏に2週間もインターンに行った企業に性格診断で落とされたことだ。嘘やろ。そんなに性格やばかったんか私…。この企業の商品は一生買わないと心に決めた。完全なる逆恨みである。バイト先の同僚相手に企業を散々罵っていたら、ずっとその子が笑いをこらえていたのでわけを聞いてみたらその子の父親といとこがその企業に勤めているらしい。血の気がさっと引いた。まあ終始楽しそうに笑ってくれていたので多分大丈夫だと思う。企業を罵るときは相手の知り合いにそこの関係者がいないことを確認してからにしようと強く思った。

 

エントリーシートで落とされる企業もいくつかあった。私は身の丈に合わないような超人気企業にはエントリーしていなかったので、あまりESではじかれるようなことは無かったのでが、それでも落とされるときはあった。そんなとき、絶対手に入ると思っていた企業に拒絶された屈辱感と、手に入れられないと分かったとたん、俄然内定に対する支配欲が湧く感覚に襲われた。これが「この俺様を拒絶するとは…フン、おもしれー女」という感覚なのだと実感した。入るつもりはあまりなかったけど落とされたは落とされたでムカつく。もしかしたら私は俺様系の素質があるのかもしれない。

 

始まる前は面接なんてとてもじゃないが乗り越えられないと思っていたが、数をこなすうちに慣れてきてそんな面接になかで一番印象に残ったのは、逆質問で「御社は○○という体制をとっていますが、それを実感したことや、ほかの企業と違うと感じたことはありますか?」と聞いたところ、「あなたはどう思いますか?」と質問で返されたことだ。質問を質問で返すな。貴様は人生における必修科目「ジョジョの奇妙な冒険」を履修していないのか。その時はもにょもにょ言って何とか乗り越えたが、まじで全人類ジョジョ履修してほしい。

 

就活中や就活が終わると、だんだんお金を稼いで自立するという将来像がリアルに想像できるようになる。いつからか私は専業主婦体制のもう一つの側面に気付いた。奥さんが専業主婦になってくれれば見捨てられ出て行かれるリスクが格段に低くなるということだ。自分と同じだけ稼がれたら愛想を尽かされてしまったとき出ていかれてしまう。ぶっちゃけ私が稼いでくるから家で待っていてほしい、欲しいもの何でも買ってあげるから経済的にずぶずぶに私に依存して自立しないでほしい…。就活が佳境になるにつれて私はそんなメンヘラっぽい思考に陥るようになり、自分の新たな側面を発見した。就活とは自分も知らなかった自分に出会ういい機会なのかもしれない。

 

結論から言うと私は第3希望くらいの企業の内定を承諾し、就活を終わりにしたのだが、もしあの時こうしていたら、あの質問をうまく答えられていたらといまだに考える。でもそれも人生、これから何が起こるか分からないから、とりあえずはせっかく繋いでいただいたご縁、大切にして来年からは社会人として頑張ろうと思う。