この門をくぐる者は一切の希望を捨てよ

人生で一番幸せな買い物ってゼクシィじゃない???

結婚式に参列したら心が凪になった話

もうタイトルの通りである。

私の魂はとある結婚式に参列したことによって救済され、今最高に穏やかな状態なのである。

 

始まりは秋。大学時代に懇意にしていただいた先輩から結婚式の招待状が届いたことだった。

私は事前に聞かされていたにも関わらず、激しく動揺し、気付いたら耳の穴が4つに増えていた。結婚式の招待状を受け取っただけで動揺してしまった自分が情けなく、そんなことでは乱されない強い心を手に入れたかったので、まずは見た目だけでも強くなりたいと思ってやった突発的な行動だったが、今思うとだいぶ間違っているな。

 

当時の私は彼氏に振られて日も浅く、心の傷はかさぶたもまだできていないような、意外にこういう傷の状態が一番痛いよね?みたいなかんじだったので、結婚式当日まで己のこれからの人生とか元カレへの憎しみとかがぐちゃぐちゃになったかなりドス黒い感情を胸の内に秘めたり秘めずに吐き出したりした。挙句の果てには独身で結婚式に金を払って参列するなんて変態の所業なんじゃないかと思うまでにもなった。

 

そして冬。結婚式当日である。

泣いた。

本当に感動した。

まず入場。ここでダメ。入場の曲が先輩夫婦の思い出の曲で、その曲は私も思い入れがあり、私の涙腺を破壊するのには十分だった。

その曲に合わせてゆっくりと歩みを進める、白いベールに包まれた先輩。

このとき、この世界で一番美しい人間は先輩だった。本当に綺麗だった。

 

披露宴が本当にもう泣けた。

娘のために一生懸命な先輩のお父さんの姿に感銘を受け、その日一番泣いた。

まさに理想の家族。こんなに完璧な家族がこの世にいるんか?と衝撃を受けた。

結婚式は二人の愛を示すものだと思っていたが、この結婚式では家族の愛をハチャメチャに感じた。こんなん泣くやん。

 

私は今まで結婚式に参列したことがなく、正直憎しみの対象として捉えていたこともあった。

しかし、この結婚式に参列して、好きな人と結ばれることのゴール、一つの幸せの集大成を見ることができた。自分のことのように追体験できたのだ。

多分、今まで追いかけていたジャンルが公式で完結して、自分の中で整理がついた、みたいな。こないだ完結したエヴァンゲリオンみたいな。あ~なるほど、そういうことだったんだ、今まで散々考察とか、結末とか想像してたけど、それももう終わりか~みたいな…。そんな感覚に近かったと思う。

 

私は憑き物が落ちたように、結婚に対する執着がなくなった。結婚は好きな人と一緒にいるための手段であり、目的ではない。結婚は一つの幸せの形であって、幸せは他の場所でも見つけられる。そうじゃない人もいるけど私は今ひとりで楽しく生きているじゃないか。自分の中で整理がついて、すごくすっきりした。

こんなセラピー治療が受けられるのにご祝儀しか払ってないけど大丈夫?諭吉もう二人くらい貢いだほうが良かったかもしれない。

 

と、いうわけで、素晴らしい結婚式に参列させていただけたおかげで、今私の心は最高に凪の状態である。20代半ば、彼氏がいない状態でこの凪は果たして大丈夫なのか、少しは焦らないといけないのか、将来後悔しないか、今の私にはわからない。でも、今の私は彼氏も好きな人もいないけど、連絡を取れば会ってくれる素敵な友達がいるし、このまま結婚しなくったってひとりで楽しく生きていける気がする。

 

どうせ人間、結婚して子供に恵まれ、幸せに生きたとしても死ぬときはひとりなんだから。

でも、どうか死ぬまでは、自分の好きな人たちと楽しく愉快に生きていきたいよね。