この門をくぐる者は一切の希望を捨てよ

人生で一番幸せな買い物ってゼクシィじゃない???

ユーリ!!! on ICEを観た話

皆さんは2016年に放送されたアニメ、ユーリ!!! on ICEをご存知だろうか。放送当時から幾多の乙女達を沼に陥れたこのアニメ、実は放送前から気になってはいた。まずPVからし腐女子ホイホイ臭が凄かった。あと登場人物の顔が良かった。深夜枠のアニメだったので、まだ生活リズムがそこまで荒れてはいなかった私は録画して後で観よ〜とリアタイはしなかった。

 

確か放送は毎週水曜日だったような記憶がある。毎週放送翌日の朝、Twitterのトレンドを見ると、昨日の夜に何が起こったのかが手に取るように分かった。沢山の村が焼け、多くの人が眠れぬ夜をすごしていたことが伝わってきた。私は怖くなり、HDに溜まっていくこの危険物を観る事ができなかった。直感でわかったのだ。「あかん、これハマるヤツや」と。

 

それから長い年月が経った。平成は終わるし私の学生生活も残すところあと一年弱となってしまった。そんな時にふと、Twitterでまだユーリ!!! on ICEを観ていないことを呟くと、ずっとアニメやオタクとは無縁だと思っていた友人から熱烈なリプライを貰った。絶対に平成が終わる前に観ろと。それほどまでに彼女を駆り立てたものは何だったのか。私は覚悟を決めた。「平成中に片をつける。令和には持ち越さない。」

 

観始めるとあとは早かった。まず初日に7話ほどぶっ通しで観賞し、翌日の研究室ではその事しか考えられなくなった。勇利とヴィクトルはこの後どうなるんだろう、ユリオはどうやって絡んでくるんだろう…彼らの物語の続きが気になって仕方がなかった。その日の夜は教授に焼肉を奢ってもらったのだが、奢ってもらう身分だというのに早く帰って続きが観たい以外の感情を失った。安いカルビの味はよく分からなかった。

 

チャリを爆走させ、家に着くとすぐに続きを観始めた。最終回を観終えた時、私は無意識のうちにテレビ画面に向かって五体投地をした。Thank you…絶対円盤買うわ…

 

まず謝りたいことがある。最初邪な気持ちで観始めてしまって本当に申し訳なかった。多分私は勇利とヴィクトルのどちらかの、またはどちらの性別が‪逆でも感動したし素晴らしい作品だと思っただろう。この作品はフィギュアスケーターの勝生勇利とそのコーチ、ヴィクトル・ニキフォロフの関係性だけではなく、2人とそのライバルの多くの選手達の群像劇であり、それぞれに背負っているものがあり、短い選手生命に全てを掛ける彼らの一瞬の煌めきを切り取ったものだったのだ。何を言っているかわからないと思うがとりあえず観れば分かる。

 

実際に彼らはこの世には存在してないし、この物語はここで終わってしまうのだが、だからこそ私の心の中で彼らは生き続けているし、画面越しに何度でも私に感動を与えてくれる。

 

オタクとしての格が1つ上がり、人間としての尊厳がひとつ失われた瞬間であった。